2016.03.10 00:00こん恋 ーstory004:Taro.こんな恋を、用意しました。大きく開け放たれた、ベランダの前に立って。淹れたて……ではない、少し冷めたスタバのラテを飲む。「今年はここから桜、見れないんだなぁ……」「太郎ちゃん!ガムテープ知らない?」センチメンタルな僕のつぶやきは、ちっとも繊細さのない大きな声に存在を消される。ため...
2016.03.09 00:00こん恋 ーstory003:Tomori.こんな恋を、用意しました。真っ青な空の下を、大きなバッグにお弁当を入れてお気に入りの公園まで歩く。少し作り過ぎ感のあるお弁当のメニューはもちろん、あなたの大好物のおにぎりとたまご焼き。それから、最後まで『おいしい』をもらえなかった、カポナータ。 『イタリアで食ったあの味...
2016.03.08 00:00こん恋 ーstory002:Kazuomi.こんな恋を、用意しました。‘‘一番線のホームに電車が参ります。白線の内側まで下がってお待ちください’’「えっ?あ、悪い。アナウンスとかぶって聞こえねんだわ」電話口に向かって話す僕の声のボリュームが大き過ぎたのか、ノブが少し笑った。『こっちはバリバリ聞こえてるから、普通の声で大丈夫...
2016.03.07 00:00こん恋 ーstory001:Atsuko.こんな恋を、用意しました。いったい私は、この人から何回『愛してる』とささやかれてきただろう。そんなことを、大地を目の前にして思った。「温子?」うかがうような声に、意識をこちらに戻す。そうだった。 私はたった今、ずっと一緒にいると思っていた恋人に……別れを、告げられたんだ...